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お暇中のあれこれ

ワナワンがいない夏が来た。この間まで想像もできなかったこと。解散してから今日まで、ワナワンが彼らにとって、鎖のように過去に繋ぎ止める存在にならなければいいなと願ってきたと同時に、自分を縛り付けてきたものだとも思って欲しくもなかった。ただ記憶の中だけに存在する、紐解けば一瞬にしてあの頃に戻れるような、ドアを開ければ懐かしい匂いと見慣れた光景が広がっているような、そんな場所だったらいいな、と思っていた。勤めを終えて儚く散った花のように記憶されていたらいいな、と。

 

解散が分かっているグループを追うのは初めてだったから、終わったときどんな感情に襲われるのか、とか、この後オタ活を続けるのかという現実的な問題も、全く見通しのつかない状態でした。けれどこうして半年が経って、やっぱりあのときの私が想像していなかった未来だったなと思います。

新しい活動が動き始めて、一人一人の知らなかった一面を知る、こんな声で歌うんだ、とか、こんな踊り方してたっけ?とか。今まで見えてなかったことがたくさん見えるようになって、その一つ一つが嬉しかったりもする。そうやって、ワナワンの居ない日常に慣れていく。LightのTeaserが出たときの胸の高揚感と温かさと、終わりを実感し始めた切なさは忘れられないのに、先のことなんて考えずにEnergeticを聴いていた頃の感情が思い出せない。

最後のコンサートを終えた日の夜が今でもはっきりと思い出せるような、それとも今までが非日常で、その日を区切りに全てが今まで通りに戻ったかのようでもあって、ずっとゆらゆらしているような、そんな感覚が時折降りかかる。

 

ただ、たまに、皆が新しい活動の中で見せる表情を見て「あ、この人たちの中にワナワンが生きてる」と思う瞬間があって、自分の知ってる人のよく知ってる顔が見えるとやっぱり嬉しくて、自分も変わってないなと安心したり。11人の体の中にあの時間がずっと流れて、これからその流れの上に日々が積み重なっていくのだろうということを、体で感じつつもあります。

 

 

 

でも本当は、本音を言えば

何の屈託もない気持ちでEnergeticを聴く夏が、雪解けのようなSpring Breezeを聴きながら春のカムバックを待つ日々が続けばよかったと、どれほど思ったことか。更新されなくなったSNSも、書き込めなくなったコンカも本当は見たくなかった。終わりがあることで彼らの美しさが増したのだとしても、どこかでそんな切なさなんぞ要らないと思う気持ちもあったし、抗えるのならそうしたかった。

まだ、春風が舞い戻ってきたりしないかな、なんて窓を開けてみたり。今年はそんな夏になりそうです。

 

 

ポエムはここでお終いにします。2周年本当におめでとう。